お金のはなし

 橘玲著「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」改訂版を読む。

 日本社会の制度的な歪みは、著者が居た出版業界を例に、いずれ顕在化すると指摘する。

 著者が海外の銀行に口座を作った体験をもとに何冊も本を出版した1995年当時の話や300万円で会社を作った時の事務的な手続きや会社を作るメリットなどが細かく書かれている部分が印象に残った。

 この本を読むと、お金に対する考え方がまだまだ甘いことがわかる。

 お金に対する考え方はシンプルで、お金を残し増やしなさいということである。会社をつくるとか税金をなるべく払わないというのも、そのための手段である。

 倹約してお金を残し増やしなさいというのはわかっているが耳の痛い話である。

 年利5%で運用したとすると・・・
 1万円 →1年後1万500円
 10万円 →1年後10万5千円
 100万円 →1年後105万円
 1000万円→1年後1050万円
 1億円  →500万円

 1億円もっている人は、お金を運用することで、500万円の収入があり、贅沢をしなければ働く必要がなくなる。これが経済的独立であり目指すべきものなのだろう。

 運用に失敗すれば損をするし、予定通り運用できても税金を払えば利息がそのまま手元に残るわけではない。

「どんなときもできるだけ経済合理的に判断すべきだ」というのが著者の判断基準である。(短期的には偶然が支配するとしても)長期的には経済合理的な選択がもっとも有利になるようにできている(はずだ)から。

「自分のアタマで考える」ことが大切である。

 現状を憂うよりお金の問題を解決する手立てをみつけたら、余計なことを考えず行動することだ。